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千一夜
第50章 第七夜 秘密の場所
「おい、いきなり大きな声なんか出してびっくりするじゃないか」
「思い出した!思い出したのよ」
 そう言って香坂は興奮した顔を私に向けた。
「何を思い出したんだ?」
「あの人よ。あの美人さんよ」
「沢田さんのことか?」
「そうそう、あの美人さんよ」
「どこで会ったんだ?」
「それが違うの」
「違う? 思い出したとか違うとか一体どっちなんだ? 少し落ち着けよ」
「私はあの美人さんには会っていない」
「何だよそれ?」
「いいから人の話は最後まで聞きなさいよ。人の話を聞くことが出来ない人間は市長にはなれないわよ」
「……」
 冷静でないのは香坂なのだが……、私は香坂の言葉を待った。
「あの美人さんには会ったことなんてない。でも私はあの美人さんを見たことがあるの」
「……」
 会ってはいないが見たことがある、やはり私は香坂の言ってることが理解できない。
「これよ」
 香坂はそう言って、壁に飾った私と咲子の写真を指さした。
「写真?」
「そう、写真」
「雑誌か何かの?」
「違うわ」
「じゃあ何の写真に沢田さんが写っていたんだ? 君は今その写真を持っているのか?」
「話すのが面倒」
「おい、面倒ってどういうことだ?」
「順番に沿って話すと面倒だと言うこと。それに写真の所有者は私の旦那」
「沢田さんが写ってる写真を君の旦那さんが持っていると言うことか?」
「そうよ」
「……」
 シカゴコンサルティンググループの社員だった沢田絵里と農業を営んでいる香坂の亭主……。どうすればこの二人に接点ができるのだろうか。
「写真は今ここにはないわ。だから今日の夜、この小さな選挙事務所に集まらない? 私は写真の所有者である亭主を連れてくるわ。長谷川もお嬢様をここに連れてきなさいよ。四人で集まるのなんて初めてじゃない」
「そうだよな」
「そうだよなって、何か不満でもあるの?」
「香坂、君に二つだけ忠告しておきたいことがある」
「忠告?」
「そうだ、忠告だ」
「いいわよ、言ってみなさいよ」
「一つ目、この事務所を小さいとかいうなよ。この小さな事務所は今の俺の姿だ」
「ごめんなさい。気にしてたんだ?」
「もう一つ。咲子をお嬢様とは呼ばないで欲しい。咲子は遠山の人間だが私の妻だ」
「長谷川」
「何だ?」
「悔しいけど今の長谷川かっこいいわ。悔しいけどさ」
「ふん」
「何がふんよ、ふふふ」
 
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