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千一夜
第51章 第七夜 マスカレード
 岡村からの電話は、まさに天から私たちの目の前に下りてきた細い糸のようだった。この糸に頼るしかもう方法はない。
「一つだけ確認しておきたいことがあるんですが、その方は江村さんのお友達であって、長谷川さんがお持ちになった写真に写っている女性の知り合いではないということです。もし長谷川さんが写真に写っている女性についてお知りになりたいというのでしたら、何と言いましょうか、江村さんのお友達は長谷川さんに何一つ答えることが出来ないでしょう」
「承知してます。確かに私たちは沢田さんを追って秋田まで来ました。しかし今私が知りたいのは、沢田さんではなく沢田さんに似た女性、江村都子さんについてです。岡村さんにお願いするのは筋違いになるかもしれませんが、その江村さんのお友達にお会いすることができないでしょうか? 私は警察の人間ではありません。ですので、根掘り葉掘り訊くような真似はしません。お友達が話せる範囲でいいんです。どうでしょうか?」
 私の本心だ。今私が知りたいのは江村都子だ。
「わかりました。そうでれば彼女も長谷川さんにお話しできると思います」
「女性の方ですか?」
「はい、何でも江村さんとは小さいころからの知り合いだそうです。実は私の方から遠海さんにはすでに連絡済みです。あっ、江村さんのお友達の名前は遠海舞さんと言います。遠海さんは、秋田駅前のデパートに勤めておられます。それで、もし長谷川さんにお時間があれば、明日の午後の一時から二時の間を空けておくと遠海さんが言ってました」
「一時から二時ですね。承知しました。必ず伺うと遠海さんにお伝えください。岡村さん、本当にありがとうございました。秋田に来てよかったです。ありがとうございました」
 電話はそこで終わった。
 咲子は私と岡村の電話でのやり取りをずっと聞いていた。つまり新婚旅行の続きは無しになると言うことを聞いていたということになる。
「申し訳ない」
 私は咲子に詫びた。
「……」
 咲子は黙って私を見ている。
「新婚旅行の続きは」
「ねぇ亮ちゃん」
 咲子が私の言葉を遮った。
「悪かった。すまない」
 私はまた誤った。
「そういうことじゃないの」
「そういうことじゃない?」
「亮ちゃん、何か隠してるわよね? 亮ちゃん、何を隠してるの?」
「……」
「私たち夫婦でしょ? 私、隠し事だけは耐えられないわ」
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