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千一夜
第50章 第七夜 秘密の場所
私は咲子より早く起きた。
風呂に行きたい。女の舌で舐められた感覚を消したい。夢精(射精?)したことを咲子に知られたくない(その証拠を隠滅するために)。
貸し切り露天風呂ではなく、私は宿の風呂、赤鬼の湯に向かった。朝の六時前でも風呂好きな宿泊客は温泉に入る。だが、男風呂である赤鬼の湯には誰もいなかった。私は確信している、この宿の宿泊客は私と咲子だけだ。
私は下腹部に何度もかけ湯をしてから、湯に中に入った。無心になることはできなかった。女の全裸が脳裏に浮かぶ。間違いなく、私は女の中に精液を放出した。だが、それは現実ではない。夢の世界の出来事でもない。多分……私は現世と常世の狭間で女と交わったのだ。
咲子の顔を堂々と見ることが出来ないから、私は部屋から遠い風呂に向かったのだ。
湯から上がり、部屋に戻ると咲子が仏頂面をして私を待っていた。
「どこに行ってたの?」
「風呂だけど」
「どうして私を誘ってくれなかったのよ」
「すやすや眠っている君を起こすなんてことはできないよ」
もちろんそれは嘘だ。私は咲子を誘うことができなかった。
「私たち今新婚旅行中なのよ。たとえ私が爆睡してても普通は誘うでしょ、違う?」
「ははは」
「何が可笑しいのよ」
「君の口から爆睡なんて言葉が聞けるとは思ってなかったから」
「バカ」
「赤鬼と青鬼は夫婦なんだって」
「それがどうかした?」
「さて問題です。赤鬼と青鬼、どっちが男でどっちが女でしょうか?」
「そんなのどっちでもいいわよ。亮ちゃん、俺って物知りなんだよ、っていう態度改めた方がいいわよ。そういうところちょっとカチンとくるんですけど」
「俺は物知りなんかじゃないよ。風呂に行けばわかる。脱衣所で赤鬼と青鬼のことを書いた張り紙があるから。俺はそれを読んだだけ」
「温泉に入るのにそんな面倒なことする?」
「だから読んだだけだよ」
「じゃあ私一人でお風呂に行ってきます!」
咲子は一人というところを強調して言った。
「ゆっくり温まってこいよ」
「当り前じゃない、ふん」
青鬼の湯にも誰もいないはずだ。
私は二組の布団を見下ろした。咲子が寝ている隣で私は女と繋がった。しかし、私は咲子を裏切ってはいない……私はそう自分に言い聞かせる。
風呂に行きたい。女の舌で舐められた感覚を消したい。夢精(射精?)したことを咲子に知られたくない(その証拠を隠滅するために)。
貸し切り露天風呂ではなく、私は宿の風呂、赤鬼の湯に向かった。朝の六時前でも風呂好きな宿泊客は温泉に入る。だが、男風呂である赤鬼の湯には誰もいなかった。私は確信している、この宿の宿泊客は私と咲子だけだ。
私は下腹部に何度もかけ湯をしてから、湯に中に入った。無心になることはできなかった。女の全裸が脳裏に浮かぶ。間違いなく、私は女の中に精液を放出した。だが、それは現実ではない。夢の世界の出来事でもない。多分……私は現世と常世の狭間で女と交わったのだ。
咲子の顔を堂々と見ることが出来ないから、私は部屋から遠い風呂に向かったのだ。
湯から上がり、部屋に戻ると咲子が仏頂面をして私を待っていた。
「どこに行ってたの?」
「風呂だけど」
「どうして私を誘ってくれなかったのよ」
「すやすや眠っている君を起こすなんてことはできないよ」
もちろんそれは嘘だ。私は咲子を誘うことができなかった。
「私たち今新婚旅行中なのよ。たとえ私が爆睡してても普通は誘うでしょ、違う?」
「ははは」
「何が可笑しいのよ」
「君の口から爆睡なんて言葉が聞けるとは思ってなかったから」
「バカ」
「赤鬼と青鬼は夫婦なんだって」
「それがどうかした?」
「さて問題です。赤鬼と青鬼、どっちが男でどっちが女でしょうか?」
「そんなのどっちでもいいわよ。亮ちゃん、俺って物知りなんだよ、っていう態度改めた方がいいわよ。そういうところちょっとカチンとくるんですけど」
「俺は物知りなんかじゃないよ。風呂に行けばわかる。脱衣所で赤鬼と青鬼のことを書いた張り紙があるから。俺はそれを読んだだけ」
「温泉に入るのにそんな面倒なことする?」
「だから読んだだけだよ」
「じゃあ私一人でお風呂に行ってきます!」
咲子は一人というところを強調して言った。
「ゆっくり温まってこいよ」
「当り前じゃない、ふん」
青鬼の湯にも誰もいないはずだ。
私は二組の布団を見下ろした。咲子が寝ている隣で私は女と繋がった。しかし、私は咲子を裏切ってはいない……私はそう自分に言い聞かせる。

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