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千一夜
第46章 第七夜 訪問者 既視感
 家の中に二人で入る。小さな家の小さな玄関。寝室まで行くのがもどかしい。だから私は小さな玄関で咲子を抱きしめた。キスをする。咲子の手が私の股間に伸びてきた。淫乱な咲子の手が私のズボンのジッパーを下げて、下着の中に潜り込んできた。  
 私のペニスが咲子の手で掴まれた。いや、握られたと言った方がいいかもしれない。ふにぁふにぁだったペニスに体中の血液が集まる。私のペニスが硬くなり始める。すると私のペニスを押しつぶそうとして咲子の手に力が入る。私のペニスはその力に負けまいと硬さを増していく。
 私と咲子は獣になった。いっとき人間としての理性を忘れ(あるいはなくして)て獣の雄と雌の本能に支配される。常識とか見栄とか、肩書なんてものがなくなる瞬間。男と女が本性をさらけ出すとき。
 綺麗ごとを並べたところで、所詮人間も獣と変わらない。自分の中に流れている血を未来に繋ぐために男は女を求め、女もまた男を求める。金持ちだろうが貧乏だろうが、人間が最終的に望むものは、異性(あるいは同姓)との交わりなのだ。
「私、あの人が長谷川さんのことを呼び捨てにするたびに気分が悪くなったわ」
 咲子が急にそう言った。
「あの人って、香坂のことか?」
「そう」
「それって、ひょっとして焼きもち?」
「バカ」
 ペニスを握っている咲子の手に力が入った。
「焼きもちを焼かれるなんて男としては有難いことだけど、全くの見当違いだよ。残念ながらね。同期の香坂とは四半世紀の付き合いになる。あいつには東京の大学に進んだ息子と高校生の娘さんがいる。今香坂の家の悩みは後継者がいないということだ」
「後継者?」
「旦那さんが農業されてるんだ。息子さんも娘さんも農業には興味がないらしい」
「そうなの」
「ああ、これが香坂家の実態だ。おいおい、こんなところであいつの家の話をしていても時間の無駄だ。せっかく竹内さんが気を利かせて時間を伸ばしてくれたんだ」
「何だか恥ずかしいわ」
「だから時間は有効に使おう。それともここでセックスをする?」
「バカ」
 私は咲子と体を密着させて寝室に向かった。私のペニスは咲子にギュッと握られたまま。随分おかしな格好で私と咲子は玄関から寝室まで移動した。まぁ、こんな姿を誰かに見られるなんてことはない。小さな家の中なら私も咲子も大胆になる。
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