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flower
第2章 flower
美里は今更のように気付く。
そう常に心に引っかかっていたトゲのような自らへの違和感と痛み。

( 分かっていたのに、、)

横で佇む渡辺はそれこそ底無しの湖に佇むボートのように、、優しい笑みを浮かべいる。但しそこにオールはない。
「ごめんなさい。少々長い前置きになりましたね」
「いえ」、
美里はきっぱりと言い切った。この渡辺も毎日病院に来ている。分かり合えるのは単純に嬉しかった。
蝕む続ける病と闘う姿、そして殆ど変わらず目を閉じ続ける姿。どちらが?という事はない。
「つらい」という感情に大小など存在しないのだから。
「中途半端な人にはこんな戯言は絶対に話しません。実はね、私はいずれこんな日が来るんじゃないかと思っていたんですよ。だから私なりに考えに考えました。あくまでも第三者という視点からの、あくまでも現実的なお話です。どちらにしても私は美里さんの背中を押すつもりはありません。これは自らの意思で飛び込むべき世界なんです。そこはご了承下さい」
「、、はい」
「では具体的に話しましょう。要は物事なんでも数字に表れるという事です」
「えっ、、数字、、ですか?」
渡辺は静かに頷いた。
「こう見えても私は元経営者なんですよ。熱意が云々、やる気がどうたら、、いやいや、、結果的に数字は絶対に嘘をつきません。時代?それこそ数字ですよね」
「、、、、」
「では、、もっと具体的に話しましょうね」
「、、はい」
「例えば、、美人は三日で飽きる、ブスは三日で慣れる、という言葉があります。そうそう、、三日も経てば忘れるとかね。三日坊主、三日天下なんて言葉もある。一聴すると(みっか)という言葉の響きから来ているなんて思われがちですが、この(三)という数字には実に様々なロジックが隠されているのですよ。つまり、、そこにはれっきとした生物学ならではの方程式が存在する」
「、、はい」
「では、石橋さんの場合を話しましょう」
「はい」
「まず医学の進歩とは何か?実際に後どれくらい掛かるのか?そもそも何がネックなのか?実際我々素人に情報は降りてはこない。そもそも医学自体が一体どこでどう動いているのかさえ見えない。ただ、、そこを知ろうともしないのはやっぱりいけません。なんなら美里さんが今から医学を志し貴方が脳外科医の研究者にでもなればいい」
「確かに、、でも、、」
渡辺は大きく頷いた。
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