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flower
第4章 花のように
( そうか、、許されないのか、、)

私はまるで筆を置くかのようにパソコンを閉じた。
( なぁ、教えてくれ、、君なら私を何処へどう導く?)

あの脚本家は命の重みを知らない

よくネットのドラマ掲示板では叩かれ自認もしている。私の創る作品はとにかく人という人が死んでゆく。
命が関わらなければ物語というより人物は動かない、というのがテレビに魂を売っても私の、石橋優哉の信条だった。
( 皮肉な話だ)
私はただ繰り返すしかない。
( なんという皮肉だ、、)

言うまでもなく石橋優哉のモデルは妻である美里。石橋美里のモデルは私自身、今のところは簡単なプロットの状態であり要は小噺だ。
( 浮気のくだりは怒るかな?)
だが、、間違えてはいないと思う。美里は身も心も寂しがり屋だった。
私は笑いながら眠り続ける妻 美里を見つめる。相変わらず長い睫毛は今日もまた微動だにしない。

( ごめんよ。分かっていたさ。私には最初から選択枠などはないんだ。美里、、私は誓う。改めて誓うよ。永遠に君を待ち続ける事をね)

あの日、私は分かっていながら溺れる少女を助けに川に飛び込んだ美里を助ける事が出来なかった。
自ら描いた、いや、まるで仕掛けた脚本のような出来事に唖然とし、ただ客観的に茫然としただけ。
こんな情け無い話はない。

( 二度も見殺しには出来ない)

気が付けば窓際の陽射しを一心に浴びている花瓶に挿さされた花は鮮やかな色を付け咲き、まるで美里の強い眼差しのように私に向けられている。
( いつか、、)

 私はいつものように医師から処方された睡眠薬を空っぽの胃袋に流し込んだ。まるで誘うような睡魔の誘惑に慣れる事などない。

特別に用意した隣のベッドに横たわりゆっくりと目を閉じる。そして瞼の裏側には間違えなく愛する美里がいる。

( 今日も会えるだろうか、、いや、そうじゃない!)

( いつか、、)

いつか妻が目を覚ましたら、、この物語の続きを綴りたい。

( いつか、、)

そう切に願う。



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