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100のベッドシーン
第19章 卒業しても、好きでした
「なんで?」

「……先生が、先生じゃなくなったら、ちょっと寂しいなって思ったから」

言ってしまってから、しまったと思った。

けれど彼は、少しだけ目を伏せて、笑った。

「……俺も君みたいな生徒がいたから、続けてこれたんだと思う」

静かに、心が揺れた。

当時、私は何も伝えられなかった。

でも今なら、もう少し近づけるかもしれない。

私はもう、生徒じゃない。

社会人として、ちゃんと大人になった。

だから今の私は、彼に手を伸ばしてもいいのだろうか。

「……先生、飲み物取ってきます。一緒にどうですか?」

「いいね。ちょうど喉が渇いてたところ」

そんな他愛もない会話なのに、まるで心臓が指先まで脈打っているようだった。

懐かしさと、新しさの境界線で、私はまた、彼に恋をしていた。
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