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シャイニーストッキング
第22章 ほつれるストッキング 1 佐々木ゆかり
5 いいわけ……
「ええっ、今夜も来るのっ?」
「うん、行くぅっ」
「えつ、あのねぇ、わたし一人じゃないんだよっ」
「うん、わかってるわよぉ…」
「ううん、わかってないわよ」
「わかってるもんっ」
エレベーターを降り、エントランスに出ると、敦子と越前屋さんが、そう話していた…
いや、軽いコントのような、押し問答をしていた。
「ねぇ、ゆかり室長ぉ、今夜も泊まっていいですよねぇ…」
その越前屋さんの、甘えた口調と声音からは…
そう簡単には、無下にできない、なかなかの媚びと甘えを感じてしまう。
これも、また、越前屋さんの、憎めない魅力の一つなのだろう…
そして、そういう柔らかさが、少し羨ましい。
「え…あ、ま、伊藤さんがいいならば…」
「ええっ、ほら、あっちん、ゆかり室長がいいってぇ…」
「別に、いいっては、言ってないと思うけどなぁ…」
わたしは、こんな二人の会話に、本当に、心が軽くなっていた…
それに、今までのわたしの人生の中でも、こんな会話なんて…
したことも、聞いたこともなかったから。
「ほら、どうせ、明日の飲み会の後も、泊まりに来るんでしょう?」
「はーい、そのつもりですぅ」
「うわ、マジかぁ…
室長、少し、甘やかせ過ぎですよぉ」
と、敦子が、苦笑いをしてくる。
だけど、その敦子の目は、わたしをジッと、逸らずに、見つめてきた…
「あ、ほ、ほら、越前屋さんは、寝ちゃうと起きないし……」
わたしは、その敦子からの、逸らない目に対して…
そう、無意識に応えてしまう。
『えつは寝ちゃうと、朝まで起きないから…』
それは、昨夜の、敦子の言葉……
「ま、いいか………」
そして、敦子は、逸らずに見つめたまま、そう呟く。
「うわぁ、やったぁ…」
本当は、昨夜の越前屋さんは、わたしと敦子の間を隔てる為の、緩衝材の筈だった…
でも、今夜は…
ただの…
なんてことのない、いいわけの、材料にしか過ぎなくなってしまったみたい。
そう…
それは、逃げみち……
ううん、違う…
『寝ちゃったら、起きないから…』
それは、きっかけ―――
奥が、静かに、震えてくる………
「ええっ、今夜も来るのっ?」
「うん、行くぅっ」
「えつ、あのねぇ、わたし一人じゃないんだよっ」
「うん、わかってるわよぉ…」
「ううん、わかってないわよ」
「わかってるもんっ」
エレベーターを降り、エントランスに出ると、敦子と越前屋さんが、そう話していた…
いや、軽いコントのような、押し問答をしていた。
「ねぇ、ゆかり室長ぉ、今夜も泊まっていいですよねぇ…」
その越前屋さんの、甘えた口調と声音からは…
そう簡単には、無下にできない、なかなかの媚びと甘えを感じてしまう。
これも、また、越前屋さんの、憎めない魅力の一つなのだろう…
そして、そういう柔らかさが、少し羨ましい。
「え…あ、ま、伊藤さんがいいならば…」
「ええっ、ほら、あっちん、ゆかり室長がいいってぇ…」
「別に、いいっては、言ってないと思うけどなぁ…」
わたしは、こんな二人の会話に、本当に、心が軽くなっていた…
それに、今までのわたしの人生の中でも、こんな会話なんて…
したことも、聞いたこともなかったから。
「ほら、どうせ、明日の飲み会の後も、泊まりに来るんでしょう?」
「はーい、そのつもりですぅ」
「うわ、マジかぁ…
室長、少し、甘やかせ過ぎですよぉ」
と、敦子が、苦笑いをしてくる。
だけど、その敦子の目は、わたしをジッと、逸らずに、見つめてきた…
「あ、ほ、ほら、越前屋さんは、寝ちゃうと起きないし……」
わたしは、その敦子からの、逸らない目に対して…
そう、無意識に応えてしまう。
『えつは寝ちゃうと、朝まで起きないから…』
それは、昨夜の、敦子の言葉……
「ま、いいか………」
そして、敦子は、逸らずに見つめたまま、そう呟く。
「うわぁ、やったぁ…」
本当は、昨夜の越前屋さんは、わたしと敦子の間を隔てる為の、緩衝材の筈だった…
でも、今夜は…
ただの…
なんてことのない、いいわけの、材料にしか過ぎなくなってしまったみたい。
そう…
それは、逃げみち……
ううん、違う…
『寝ちゃったら、起きないから…』
それは、きっかけ―――
奥が、静かに、震えてくる………

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