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シャイニーストッキング
第22章 ほつれるストッキング 1 佐々木ゆかり
6 なみだ…
本当に、越前屋さんは、邪魔にはならなかった―――
タクシーで、わたしのマンションに戻り、買ってきたワインを三人で二本空けたら…
「あら…」
まるで、気絶したかの様に、あっという間に寝落ちした。
それは、まるで、突然、電池が切れてしまった、おもちゃの様―――
「あら、今夜は、ずいぶん早いこと…」
敦子が、呟く。
「ま、殆ど、一人で飲んでたからね…」
わたしは、気持ち良さそうに、寝息を漏らしている、越前屋さんの頭を撫でながら、そう応える。
「大分、疲れてるみたい…
今日、本社で、何かありました?」
すると、そう訊いてきた。
「あっ、うん、そう、アレだわ、あのね…」
わたしは、咄嗟に、帰りのタクシー内での、美冴さんを含んだ三人の、爆笑の会話を思い浮かべ…
敦子に、話そうと…
だが…
「ううん…ち、違います…ひ、姫の……
あ…ゆ、ゆかりさんの…こと…です……」
敦子は、逸らずに見つめ…
「あ………
わたしの、膝に置いてある、手に、触れてきた―――
「な、なにか…あ、あった…の……」
指が、優しく、絡んでくる…
「え、な、なんで…」
一気に昂ぶり、力が抜けてしまう…
「な、なんか…ゆかり…さんの目が……」
逸れずに、見つめ…
いや…
わたしの心を覗くように、見つめてくる。
「あっ…」
その瞬間だった…
「ぁぁ……」
鼻の奥が、キュンと鳴き…
ジワりと、視線が曇り………
え、まさか…
まさか、わたしが…
涙が溢れてしまった―――
「ゆ、ゆかり…さん………」
まさか…
わたしが…
涙を…
泣くなんて………
「え、あ、い、いや、違う………」
わたしは、涙が零れ落ちないようにと、上を向き…
「………ゆ…………さん」
敦子の手が、指先から、ゆっくりと肩へと撫で上がり…
「……………」
まさか、わたしが…
涙なんて…
あの、離婚の、裏切りを知った時さえ…
涙は、無かったのに…………
「……ん、あ、い、いや…べ、別…に……」
話したい…
でも…
話したくない――
「…ん、んん………」
その時、越前屋さんが寝返り返りを…
「寝かせてきますね…」
「うん…」
夜が、静かに流れていく―――
本当に、越前屋さんは、邪魔にはならなかった―――
タクシーで、わたしのマンションに戻り、買ってきたワインを三人で二本空けたら…
「あら…」
まるで、気絶したかの様に、あっという間に寝落ちした。
それは、まるで、突然、電池が切れてしまった、おもちゃの様―――
「あら、今夜は、ずいぶん早いこと…」
敦子が、呟く。
「ま、殆ど、一人で飲んでたからね…」
わたしは、気持ち良さそうに、寝息を漏らしている、越前屋さんの頭を撫でながら、そう応える。
「大分、疲れてるみたい…
今日、本社で、何かありました?」
すると、そう訊いてきた。
「あっ、うん、そう、アレだわ、あのね…」
わたしは、咄嗟に、帰りのタクシー内での、美冴さんを含んだ三人の、爆笑の会話を思い浮かべ…
敦子に、話そうと…
だが…
「ううん…ち、違います…ひ、姫の……
あ…ゆ、ゆかりさんの…こと…です……」
敦子は、逸らずに見つめ…
「あ………
わたしの、膝に置いてある、手に、触れてきた―――
「な、なにか…あ、あった…の……」
指が、優しく、絡んでくる…
「え、な、なんで…」
一気に昂ぶり、力が抜けてしまう…
「な、なんか…ゆかり…さんの目が……」
逸れずに、見つめ…
いや…
わたしの心を覗くように、見つめてくる。
「あっ…」
その瞬間だった…
「ぁぁ……」
鼻の奥が、キュンと鳴き…
ジワりと、視線が曇り………
え、まさか…
まさか、わたしが…
涙が溢れてしまった―――
「ゆ、ゆかり…さん………」
まさか…
わたしが…
涙を…
泣くなんて………
「え、あ、い、いや、違う………」
わたしは、涙が零れ落ちないようにと、上を向き…
「………ゆ…………さん」
敦子の手が、指先から、ゆっくりと肩へと撫で上がり…
「……………」
まさか、わたしが…
涙なんて…
あの、離婚の、裏切りを知った時さえ…
涙は、無かったのに…………
「……ん、あ、い、いや…べ、別…に……」
話したい…
でも…
話したくない――
「…ん、んん………」
その時、越前屋さんが寝返り返りを…
「寝かせてきますね…」
「うん…」
夜が、静かに流れていく―――

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