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抱き屋~禁断人妻と恋人会瀬
第26章 清野あや 24歳⑤裏切り調教妻
「いいニオイ…ありがとう佐伯さん」

 全裸で現れたあやは、またもきちんと整えられた食卓を見て、嬉しそうに言った。

「あやも朝、和食派なんだ。しっかりご飯食べないと、一日力が出なくて」

 夫はパン党らしい。トースト一枚に、ミルクと砂糖入りのコーヒーを飲むか飲まないかくらいだと言う。

「仕事場行ってもやる気でないっていつも言ってるのよ」

 朝、食が細くて寝覚めが悪い夫に、ご飯食をすすめているのだが、思い通りにしてくれなくて、結局、寝ぼけたまま出かけることがあるのが心配だと言う。

「僕はこの抱き屋の仕事も本業も考える仕事だからね。しっかり食べないとやっていけないな」
 出張も多い佐伯だが、毎回の食事が大切なので自炊には余念がない。
「あやもしっかりが好き。佐伯さん、今朝のも美味しいよ」
 あやも朝食には満足してくれたようだ。

 鮭のハラスは、やはり塩焼きが一番だ。魚の脂が沁みた塩味で、白米を食べる喜びは何にも替えがたい。

 脂ぎった口の中を引き締めるのにも、心憎いのは糠漬けだ。あやの実家から分けてもらったと言う糠床は、さすが年季の浸かり具合である。

 佐伯は浅漬かりよりも、やや酸っかいくらいを好む。焼き魚には絶妙なバランスだ。

 そしてキノコの味噌汁はやはり、マイタケがいい。肉厚の身から沁み出した旨味は、冷ますと分かるが味噌汁の色を白く濁らせるほどである。
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