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Memory of Night 2
第50章 episode of 0
「……どうしてここを選んだんですか? 住む場所」
「んー?」
昼を食べ終わり、ゆったりとくつろぎながら、秋広は出会った当初から気になっていたことを尋ねた。
「もっと綺麗で防犯もちゃんとしたところ、たくさんあるでしょう?」
「そんなの家賃が安いからに決まってんじゃん」
「……借金でもあるんですか?」
「ねーよ!」
「うち、給料悪くはないでしょう? 肉体仕事だから体は大変かもしれないですが」
「うん」
「もっと家賃高いとこでも生活はできると思いますが」
「いいだろ別に、あたしがどこに住もうと」
桃華は目を伏せた。
「金、なるべく貯めときたいんだよね」
「なんで?」
「……将来、大金が必要になるかもしれないから」
頬杖をつき、ぼそりと言った。さっきまでとは違う、酷く冷めた目付きだった。
誰を想っての顔だろう。
秋広はそれ以上は聞けなかった。踏み込むなと態度で示されているような気がした。
それでも、と思う。秋広にだってどうしても譲れない気持ちがあった。
「……ガスはちゃんと引いててくださいね」
「うん、春になるまではそうする」
「それ以降は?」
「水で平気だろ?」
「ダメですって。シャワーはお湯じゃないと。女性は特に、体を冷やすと良くないと……」

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