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Memory of Night 2
第50章 episode of 0

「……なんか今日百面相みたいに表情コロコロ変わるな。気持ち悪いんだけど」
「ええっ」

 そんな言い方は、と思う。
 秋広は真顔に戻すため、両手で頬をパン、と叩いた。それを見て、桃華が笑う。

「なんで僕は上げてくれたんですか?」
「勝手に入ってきたんじゃん。シャワー浴びて出たら居たから、あのまま殴って通報してやろうか迷ったんだけど、せっかく仕事決まったのにごちゃごちゃすんのも面倒だから追い出すにとどめた」
「あ、あれは本当に……不可抗力で……っ」

 桃華が忘れていった財布を届けるためとはいえ、自分の早とちりから、不法侵入してしまった。反省はしていたが、正直な気持ちを言えば蒸し返さないでほしい。

「そういえばーー見た?」
「え?」
「あたしの裸」

 秋広はつい箸を落としてしまった。

「あ……あの、僕は別に……っ」

 秋広の脳裏に焼き付いたままの、桃華の肢体。振り払うようにぶんぶんと首を振る。
 それでも顔が火照って熱かった。

「本当に?」

 桃華の灰色の瞳がわずかに細められる。
 白い肌を見ていることもできず、秋広は顔を背けるが、そんな秋広の顔を横から覗きこんできた。
 からかいを含んだ桃華の眼差しは、まるで魔女のように妖艶だった。
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