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Memory of Night 2
第50章 episode of 0

肌も真っ白だった。秋広はつい、その外見に見とれてしまった。
(い、いや、いやいやいや)
秋広はぶんぶんと首を振った。見とれている場合ではない。
きっとこの女性は、面接の場所を間違えたのだ。もっと違う会社を受けようと思ったのだろう。
教えてあげなければ、と思った。
「す、すみません。面接会場を間違えてませんか?」
香椎と名乗った女性は、怪訝そうに眉を寄せた。
「間違ってません」
不機嫌そうに一言だけ。そうして茶封筒を突きだしてくる。
履歴書らしかった。中を見る。志望動機の欄などを見る限り、確かにうちで間違い無さそうではあった。
「あ……えっと」
秋広はしどろもどろだった。
もともと女性への免疫は皆無に等しい。それに加え、本来なら女性が来ることはほぼない面接にものすごく綺麗な女性が来ているのだ。
どうしたらいいかわからず、頭の中はパニックだった。
「うち、事務とかは募集してないのですが……」
「現場でいいです」
冷淡な声で間髪入れずにそう返ってくる。
「あ、あの……ご存じだとは思うのですが、うちは建築会社なので肉体労働がメインです。夏や冬も外での仕事ばかりですし、重いものを持ったり足場の不安定なところや高い場所での作業も……」
「はい、知ってます」
「そ、そうですか。えと、そういう感じなので、申し訳ございませんが、女性の方には……」

