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Memory of Night 2
第50章 episode of 0
そんななんでもないやり取りからも、二人の関係性は読み取れた。
まだ二人とも若く、宵が産まれる前だろうとわかった。
場面は次々と変わり、酒の席や宴会の出し物、社長らしき人物の挨拶や、なぜか腕立て伏せ大会や枕投げの様子まであった。
また場面が変わる。今度は餅つきをしている映像が流れた。
「イベント盛りだくさんな会社だね」
と亮。
「……姉ちゃん、楽しそうだな」
千鶴の口元も綻んでいた。
ふいにドアベルが鳴った。反射的に立ち上がろうとする千鶴を制し、亮が表に出る。
今度は本物の客らしく、いらっしゃいませ、という声が聞こえた。
「ーーなんか、動いて喋ってる二人を見るの、久しぶりすぎて。変な感じ」
宵が言った。画質も悪いし、ところどころ音もとんでいる。
それでも、生きていた頃の二人を見られる日が来るとは、夢にも思わなかった。
賑やかな声、生き生きと動く桃華と秋広の表情。画面越しにそれを観ながら、懐かしさと、少しの寂しさがあった。
「姉ちゃん、やっぱこっちに来て良かったかもね。あんな表情(かお)、地元じゃ見たことなかった」
千鶴は呟いた。桃華はこっちで幸福に生きていた。それがよくわかった。
そのまま席を立ち、先ほどから表に向かう。先程からドアベルが頻繁に鳴っていた。
その様子を見送り、宵がつぶやく。
「マスター、『人を呼ぶ』人だった」
「……人を呼ぶ人?」

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