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Memory of Night 2
第50章 episode of 0

 宵の言葉に晃が首をかしげる。

「招き猫みたいな?」
「……ちょっと可愛すぎない? その喩え」
「確かに」

 宵が苦笑する。
 だがやはり外の様子は気になったので、こっそりとドアを開けそとを盗み見た。
 さっきまでゼロ客だったのが嘘のように人がいる。
 ドリンクを作ったり、枝豆を茹でたりと亮は大忙しだった。

「あ、僕一人で大丈夫だよ?」
「手伝う。てかこっちはあたしの店だ!」
「……あはは、確かに」

 また、ドアベルと共に二人組の客が入ってくる。
 店はみるみる埋まっていった。
 まあ、亮と千鶴が店に立てばどれほど混んでも大丈夫だろう。
 そこまで広い店では無いし。
 そう思い、宵は再び座布団の上に腰を下ろした。

「……気持ち、沈まない? 大丈夫?」

 晃に声をかけられる。
 生きている頃の両親を観て、ということだろう。

「うん。……まあ、ちょっと」
「強がらなくてもいいよ。朝までそばにいる」

 休憩室には宵と晃の二人きり。自然と距離が近くなる。
 突然で驚いたが、晃が会いにきてくれたことは嬉しかった。
 そっと頬に手を添えられ、晃に口付けられそうになった時ーー。
 勢いよくドアが開いた。
 宵はびっくりして慌てて晃から離れる。

「おい、ちょっとだけツラ貸せ!」
「……は?」

 千鶴の言葉に宵はけげんな顔を向けるが、千鶴の向こうから聞こえた声で理由を察する。

「おーい、翡翠ちゃーん、あたしのこと覚えてる?」
「久しぶりー!」

 ローズでのバイトを辞めて、なかなか呼ばれる機会のなかった源氏名に一瞬自分のことだとわからなかった。
 宵は慌てて外に顔を出した。
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