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Memory of Night 2
第50章 episode of 0
ーーそうして時は流れ、十数年後。
「あ、あの……っ、ちょっとすみません!」
「……え? なんすか?」
大学からの帰り道。突然後ろから声をかけられ、宵は振り向いた。
そこにいたのは、作業着姿の知らない男だった。
白髪が混じった短髪、日にやけた黒い肌、工事現場で働いていそうながっしりした風貌をしている。
男は目をみはって、宵の顔をじっと見つめてくる。
「あー……んーと」
「…………?」
男は何かを思い出そうとでもしているような顔で、頭に片手をやった。
やがて諦めたように首を振り、宵に尋ねた。
「すまん、どうしても君の名前が……。ーー秋広と桃華さんの子供だろう?」
今度は宵が瞳を見開く番だった。
まさか、見ず知らずの男から突然その名を聞くことになるとは思わなかった。
「……はい」
男の顔が綻ぶ。
「……大きくなってもお母さんに瓜二つだな。おかげですぐわかった。ああ、思い出した! 宵くんだったかな?」
「そうっすけど。おじさんは?」
「……生意気そうな目つきまでそっくりだな。俺は相澤。君のお母さんとお父さんと、同じ職場で働いてたんだよ。ーーちょうどいい。君に渡したいものがあるんだ」
「渡したいもの?」

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