この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Memory of Night 2
第50章 episode of 0

「ーーそれでね、僕はつい桃華さんのところから逃げ出してしまったんだけど、夜、桃華さんが……」

 そこで秋広の言葉が止まる。
 すぐ横で、すー、すーと寝息が聴こえてきたからだ。

「……宵?」

 秋広は、可愛い子供の名をそっと囁いた。

(あーあ、寝ちゃった)

 あと少しだけ続きがあった。
 毎夜恒例の、眠る前の昔話。本来なら絵本を読んでやったり童話を聞かせるのが一般的だが、秋広がする昔話はほとんど桃華のことだった。
 それにも、理由がある。
 秋広は宵が起きないよう、ゆっくりベッドを抜け出した。

「……そいつ、もう寝た?」

 寝室のドアがそっと開いた。
 桃華だった。まだ紺色の作業着姿のままだ。着替えもせずに急いで寝室に来たのだろう。

「ーーおかえりなさい。今日は早かったね、帰り。たった今寝ちゃった」

 秋広の言葉に、桃華は残念そうに笑った。
 足音を立てないようゆっくりとベッドに歩みより、自分とよく似た息子の顔を覗きこむ。

「ひと足遅かったか。最近寝顔しか見てねーなあ」

 遠い現場が続いていた。いつも十時近くになってしまう。今日は天候の影響で比較的早く上がれたので車を翔ばしてきたが、間一髪間に合わなかったようだ。


「起こす?」
「……いーよ別に。休みの日におもいっきり構うから。どこ連れまわしてやろう」
「……それ、愛情って宵にあんまり伝わってないの気付いてる?」

 秋広がやんわり指摘すると、桃華は軽く睨んでくる。
 それからかがんで宵の寝顔をしばらく眺め、額をそっと撫でた。宵はわずかに身じろぎする。
 そんな小さな仕草さえいとおしく、桃華自身の原動力になった。

「今日は桃華さんに出会った頃の話を宵にしたんだ」
「……バカかよ、親の馴れ初めなんかに興味ある五歳児がどこにいる」
「えー、でも僕は、桃華さんのことたくさん宵に話したいけどなあ」
/1018ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ