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息子の嫁
第22章 退職届
凹んでた彼女も、私に笑顔を見せた。


「カレー、食べよう……。」


食卓に就いた私に、カレーを盛りテーブルに置いた。

彼女も自分の皿にカレーを盛り、テーブルに就いたが私の食べるのを待ってたかのように私を見てた。


「うまい!!」


一口食べ私は言った。


「でしょう?」

「ああ、うまいよ!!」


私は、少しオーバーに言った。

ここ何度か彼女に、カレーを作ってもらってたが、こうしてゆっくり味わうのは久しい気がした。

私が食べると彼女も食べ始め、美味しい!!」

そう云い、彼女が私に笑顔を向けた。


「麗奈、後で私にもこの、うまいカレーの作り方を教えてくれないか?」

「ダメ!」


彼女は、ダメとそくとうした。


「どうしてダメなんだい?」

「だって駿に、私が勝てるのは唯一、カレーだけだから…。だからダメなの……。」

「そんなことは無いだろう?」

「そんなことあるの…。だって駿は、お魚をさばくのだって私より上手だし、お掃除や皿洗いだって早いし、お料理だって上手だし何より麗奈に、とっても優しいし――私が駿に、敵うことってないの……。」


私は、お代わりと大きな声を上げ、彼女に皿をのべた。


「もう食べたの?」

「麗奈が作るカレーは絶品だから、ごはんは少なめでカレーは多めに頼むな?」

「うん…。」


自分が作ったカレーを私が、お代わりしたことが彼女は嬉しかったようだ。


「ハイ!いっぱい作ったから……。」


カレーを盛った、お皿と彼女の笑顔を私に差し伸べた。

私が今日、退職届を出したことをまだ、彼女には話してなかったが彼女も気になってた筈なのに、その事を私に聞こうともしなかった。
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