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第3章 第三章

さっき出掛けに今夜は、イカの塩辛を作って置きますかと云い私を見送ってくれた。

ホヤの酢の物とイカの塩辛は私の大好物だったし、それを今夜は、晩酌で呑みながら食べられると想うだけで私を楽しい気持ちにさせてくれた。

終業時間が待ち遠しく正直、仕事も手に付かないっと言った感じで何度、職場の柱時計を見たことか、これを彼女に言えば

きっと笑われるだろうとは想ったが私は、彼女の笑い声と、何より彼女の笑い顔が好きで今日も見たかった。

終業時間になると、カバンを持ち駐車場へと急ぎ車に乗ると直ぐ、発進させ家路へと急ぎ家に着き、玄関のインターホンのボタンを押した。

「は～い。」と彼女の声がし玄関のドアが開けら中に入り、ドアにカギを掛けた。


迎えに出た彼女に私は最初に塩辛が出来てるかどうか聞いた。


「出来てるけど、お義父さん…。ただいまって言ってくれないの？」


塩辛のことが私の頭の中が一杯で私は、ただいまさえ言ってなかった。


「麗奈さん、ただいま。」

「お帰りなさい。」そう言った彼女は笑顔だった。

「どうした？何かあったのか？」


何故、私は彼女に、そんな事を聞いたのかさえ自分でも分からなかったが、そう聞いた。


「だって……。お義父さんが、ただいまって云うより先に塩辛からって云うから、どれだけ食べたいんだろうと想ったら可笑しくて私――」そう私に云いゲラゲラ声を上げ笑った。

私の考えてた展開ではなかったが彼女の笑う顔が見られた。