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息子の嫁
第20章 夕焼け空
暑かったせいもあり生ビールを数杯、飲みろれつの回らない言い方で言われ、惚れた弱味とは言わないまでも、その可愛いさに私は逆らえなかった。

「駿…。一緒に飲んで代行車で帰ろう?」


彼女が言った。


「そうだな…。折角、遠くまで来てるのだら楽しく飲んだり食べたりして帰ろうか?」

「うん…。」


私が、彼女に逆らえる筈もなかった。

麗奈と私は、親子ほどに年の差があった。

正直、私からみたら彼女は子供だった。

その子供が可愛いと想えた時点で、私の敗北は明らかだった。

私も、ビールを注文し数杯飲むと少し酔いが回った。

何気なく時計を見ると、この店で私達は一時間以上も過ごしていた。


「麗奈…。そろそろ帰らないと……。」

「そうね」


彼女は、もっと居たかったのか、あまり気乗りしない返事をした。


「お肉足りなかったら注文するよ…。」

「お肉は、もう要らないけど駿と、こうして過ごすのって久々だから、もう少しだめ?」

「わかった…。じゃあもう少し居よう?」

「うん…。ありがとう駿……。」


この時、私は彼女との結婚生活の事を考えていた。

世の中には、かかあ天下と言われ、奥さんに決定権がある家と亭主関白の家庭があるが、一般的に夫婦円満な家庭には、かかあ天下の家庭が多いとか。

時には麗奈の、手綱を適度に締めながらも私は、亭主関白ではなく、かかあ天下の家庭にしようと考えながら、生ビールを飲み酔った彼女を見ながら話してた。

時間帯が良かったのか店には、客が少なく私達は大きな声こそ出さなかったが互いの声が、はっきり聞きとれる程度には話す事が出きた。
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