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息子の嫁
第20章 夕焼け空
売り場を歩いては、品々を手に取り彼女は見ていた。

普段からあまり歩く事のない私は長時間、歩くのが苦手だった。

売り場の片隅に置かれた椅子に、腰をおろし座ることもしばしばだった。


「駿、疲れたの?」

「麗奈、ビールでも飲まないか?」


歩き疲れ、百金にも飽きた私は彼女を誘った。

彼女もビールを飲みたいと言い私達は、飲食店が多くあるフロアへと移動しピザ屋に入った。

ピザを食べながら生ビールを飲み、少し休めた事を私は喜んでたが店を出ると再び、さっきの売り場に戻った。


「また、ここかよう……。」

そうは想ったが今日は、彼女を楽しませる為に遠くまで連れ出したのは、誰でもなく私だった。

「麗奈…。他に買いたい物とかないのかい?」


彼女は、ここが気に入ったようで特に欲しい物は無いと私に言った。

私は、諦め彼女に付き合うしかなかった。

このデパートに来て、大半の時間をここで過ごしてた。


「あっ!」

「どうした大きな声を出して?」

「駿、飽きたんでしょう?」


度々、椅子に腰を下ろす私を見て彼女が言った。


「麗奈、だいぶ長い間ここに居るけど何か食べに行かないかい?」

「何かって?」

「ここの名物を食べないで帰れないだろう?」

「そうね…。じゃあ連れてって……。」


さっき歩いた地下街に、数件の焼き肉店があった事を思い出し、その内の一件の店に入った。

この土地の名物は、牛タンとブランド牛だった。

彼女は、それを食べながら生ビールを飲んでたが私は帰りの運転がある為に飲んでいなかった。


「麗奈、つまらない…。駿、美味しい牛タンやお肉を食べてるんだから一緒に飲まない?」
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