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息子の嫁
第20章 夕焼け空
「じゃあ私に、任せてくれるかい?」

「うん…。」


新幹線の到着時間が迫り、改札が始まる頃になると高校生と思える子供達が待合室に入って来た。

話し声や笑い声が待合室に響き私達は、改札をすませ静かな新幹線乗り場へと移動した。

知ってる人に会わない為には、新幹線に乗り最低でも、この県から出ることだった。

彼女に切符を渡すと私に笑顔を向けた。


「ここならいいだろう?」

「うん…。」


彼女も納得したようだった。


「私、新幹線に乗るって何年ぶりだろう…。」

「近いから直ぐ着いてしまうけど勘弁な?」


そんな話しをしながら新幹線が到着するのを待っていたが、やがて轟音を響かせ新幹線が到着し、私達は自由席の車両に乗り込んだ。

意外にも車内は混んでいて車両を移動し、一つだけ空いた座席を見付け、その座席に彼女を座らせ私は通路に立った。

何年ぶりかで乗る新幹線に、彼女は満足しているように時折、私の顔を見ては笑顔を見せた。

出発し、五つ目の駅で私達は下りた。

駅の構内から出て、歩道橋を渡り歩き始めると彼女が私の腕に腕を絡めた。


「ここなら大丈夫だから…。」


こうして私と歩くのが嬉しいのだろうが私達が、どんな関係に見えてるのかと私は、すれ違う人達が気になった。

歩いて10分程、歩いた所に大きなデパートがあった。

デパートの中に入ると、最初に百金の店があると彼女が言い、その売り場に向かった。

田舎の店とは違い大きな、ワンフロアに百金の品々が数多く並べられてあった。

子供を、オモチャ売り場に連れて来た時のように私には彼女の眼が、キラキラ輝いて見えた。
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