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第18章 捜索依頼

「立花さん…。普通、私共に仕事を依頼する方達は、まず掛かる費用の事を聞くものですが立花さんは一度も、お聞きにならない…。それ程、真剣なんだと思います…。

必ず息子さんは探し出しますので、あまり考え込まないで下さいね？」

「よろしくお願いいたします。」

「分かりましたお任せ下さい。」


彼が、そう言った後、捜索に掛かる費用の事を話し始め、必要経費だけは直ぐにでも振り込むように言い私が、それを承諾すると椅子から立ち上がった。

彼とは、一緒に店を出て別れた。

彼と別れ私は近くの銀行へと急いだ。

銀行までは早足で５分ほどだった。

指定された銀行口座に振り込みを完了すると安心したのか一瞬、身体から力が抜けたように、よなよなと膝から崩れ落ちた。


「大丈夫ですか？」


女性の行員が私に駆け寄った。


「大丈夫ですから…。ご迷惑をおかけしました……。」


自分で立ち上がり行員に礼をいい私は、外へ出た。

私は、ただ麗奈に捜索依頼をした事を伝えたかっただけだったが電話に出た彼女は取り乱してた。


「駿…。何かあったの？」


彼女が大きな声で私に聞いた。


「大丈夫だから…。心配してたのかい？探偵には頼んだから心配しないで今日も、暑いから熱中症に気をつけるんだよ……。」

「うん…。駿もだよ……。」

「分かってるから…。じゃあ切るよ……。」

「気を付けて帰って来てね…。」

「分かったから…。じゃあ切るよ……。」


電話を切りその後、職場に戻った。

お昼ごはんは何時も、彼女が持たせてくれる手作り弁当だったが、昼休み時間が終わり今日は食べて上げられなかった。