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息子の嫁
第2章 第二章
この時間帯に、息子が帰って来る心配はなかったが、この先に進むかどうかは私達次第ともいえた。

そうした後、テーブルに置いてあったお盆を持ち彼女が部屋から出て行き、それから暫くし両手にお盆を持ち部屋に戻った。

夕べと同じく彼女はスカートに上は、Tシャツだった。

お盆をテーブルに置いた彼女が、脚を組み私の隣りに座った。


「お義父さん…。呑もう?」


そう云い、酌をしてくれ私も彼女のオチョに酌をすると口元に運び、ぐいっと煽るように喉の奥へと流し込み


「お義父さん…。私、お義父さんと行きたい所があるの」

「行きたい所が決まったのかい?」

「何処でもいい?」

「何処へでも連れてって上げるから言ってごらん」


私は今週の土曜日、彼女と一緒に何処かへ出掛ける約束をしてた。

彼女は、津波で亡くなった叔母さんの墓参りをしたいと云い出した。


「大震災の時に津波で亡くなった叔母さんのお墓かい?」

「うん、私――叔母ちゃんに、お義父さんを紹介したい。」

「私をかい?」


彼女は、そうだと云った。

それを彼女が何時、決めたのかが気になり聞いてみた。

彼女は、夕食の時に決めたと私に教えた。


「分かった。じゃあ叔母さんに会いに行こう。」

「いいの?本当にいいの?お墓参りで、本当にいいの?」と小さな子供もが親に聞く時のように何度も私に訊いた。

「この美味しい、ホヤのお礼もしなくちゃな」


私が、そう彼女に言うと「嬉しい!!」と云い、にこにこと笑顔を見せた。
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