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息子の嫁
第14章 婚約指輪
宝石には、ピンからキリまでの値札が付いてた。


「麗奈さん…。気に入ったのを選んで……。」


私は彼女に選ばせた。

高くもなく、極端に安くもない手頃とも想える指輪を彼女が指差し、ショーケースを開け店員が取り出した。


「こちらで宜しいですか?」


そう言い彼女に手渡した。

指輪を手渡された彼女は、目を輝かせそれを見てた。

「お嬢様、指にはめてもいいですよ……。」

店員が、そう言い彼女に微笑んだ。

彼女は、白く細い指に指輪をはめ見ていた。


「気に入ったのかい?」

「うん…。私、これが良いけどいいの?」

「麗奈さんは気に入ったんだろう?」

「うん…。」


私に、微笑み指にはめた指輪を彼女が見てた。


「じゃあ、これをお願いします…。」

「とってもお似合いでございますよ…。少々お待ちください……。」


彼女が、指輪を外すと精算カウンターに案内された。


「指のサイズはいかがでしたか?」

店員が、彼女に聞いた。


「このままで大丈夫です…。」


指輪をケースに入れ「包装は、いかが致しましょうか?」

「そのままで結構です…。」


私が、そう言った後、精算し指輪の入ったケースを彼女に手渡した。

「お義父さん…。ありがとう…。」


私が、手渡した指輪を彼女が受け取ると店を出て車に戻った。

車に乗った彼女は涙ぐんでた。


「麗奈…。そんな顔を、叔母さんに見せるのかい?」


「だって私――嬉しくて―――」

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