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息子の嫁
第13章 障害
「ありがとう…。」


彼女にそう言った後、ソファーから立ち上がり台所で予め冷蔵庫で冷やしてあった、ジョッキに生ビールを注ぎ部屋に戻り彼女に手渡した。

「ありがとう……。」


その後、彼女の隣りに腰掛け座った。

「お疲れさま…。」

そう言い、ビールジョッキを軽く上に持ち上げ私も、彼女に合わせるように、オチョを持ち上げたが私のオチョには未だ、お酒は注がれてはいなかった。


「お義父さん」

「なんだい?」

「お義父さんさあ――もしかて私が、もう帰って来いって考えてない?」


私の顔を、下から覗き込むようにし彼女が言った。


「どうしてそう想うんだい?」

「だってオチョには、お酒も入ってないし、ホヤにだって箸を付けてくれてないから私――そうかなって――。」

「そうか…。」


彼女に、言われるまでもなく私の心は、ここにはなかった。


「何時もなら、真っ先に食べて美味しいって褒めてくれるのに今日は、お父さん――どうしたの?」

「すまない…。」

「ううん…。私に謝るんじゃなくて今の、お義父さんの気持ちを正直に私に話して……。」

「だったら言うけど明日、実家に行って本当に、ここに帰って来れるのかい?」

「お義父さんって可愛いね…。」

「私が可愛いって?」

「うん…。だってお母さんとの電話の後、お父さんは私が帰って来ないかもって想い、すねてるように見えるから……。」
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