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息子の嫁
第13章 障害
「だめ!今はだめよ…。」


そう私に言った後、買って来た食料品の片付けに戻った。

彼女の実家に行き謝るにしても、既に順番が違ってた。

本来なら息子の事を知った時点で、直ぐにでも謝りに行くべきだったのだと、そうしなかった自分を恥じてもいたし彼女の、母親や彼女の兄への、配慮をかいた事を私は悔んでた。


「お義父さんも手伝って…。」


色々な事が頭をよぎり、ずっと立ったままの私に彼女が言った。

彼女の声は明るかった。

重い気持ちでいた私を気遣い精一杯、明るく振る舞っているようにも感じられ私も、片付けを手伝った。


「お義父さん…。これはフリザーにお願い……。」


この場を彼女が仕切った。


「終わったら、お義父さん…。先にお風呂に入ってね…。私は美味しいホヤを作って上げますからね……。」


彼女が私に、そう言いにこっと微笑んだ。

片付けが終わり私は、独りでお風呂に入ったが何時もなら、彼女と二人で入ってたお風呂に今夜は私、独りだった。

彼女が買って来た、ホヤの酢物を作り私に、食べさせるためだったので今夜は、仕方がなかったが、やはり独りで入るお風呂に寂しさを感じてた。

何時もと違う事が更に私を、不安へと駆り立てていた。

彼女は、戸籍上は息子の妻であり我が家の嫁だった。

離婚してない以上、私がいくら彼女を愛していたとしても、それはどうにもならない事だったし彼女は、役所に届け出た一枚の紙に縛られ自由の身ではなかった。
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