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第10章 サプライズ

「うん…。」

彼女は、私の作ったお粥しか食べてなかった。

「何か食べたい物はないかい？」

「お義父さん」

「なんだい？」

「私、玉子丼が食べたい…。」

「玉子丼ってご飯、食べられるのかい？」

「お義父さんが私に、始めて作ってくれた料理だし、とっても美味しかったから私、玉子丼が食べたい…。」

私の作る玉子丼は、干し椎茸と玉ねぎと卵だけのシンプルな物だった。

「分かった…。じゃあ夕食は玉子丼とシジミの味噌汁を作って食べさせて上げるからな？」

「シジミの味噌汁も？」

「ああ…。明日の朝は美味しい炊き込みご飯を食べさせて上げようと少し食材を買って来たんだよ…。」

「私、早く食べてみたい！」

「とうぶんは私がご飯を作るから、ゆっくりしてていいから…。」

「ごめんね…。」

「少し起きてみるかい？」

「うん…。」

パジャマの上から、カーディガンを羽織らせ手をかしリビングに連れて来て彼女を、ソファーに座らせた。

彼女は大分、歩けるまでに回復していた。

じゃあ夕食の仕度をするから、ここで休んでなさい…。」

私が台所で夕食の仕度をしていると、リビングで休んでいるものとばかり思っていた彼女が食卓用の椅子に座ってた。