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第10章 サプライズ

「だから今日は、どうしたんだって聞いてるんだろうが？」

「実は、お前に頼みがあって来たんだ。」

「俺に頼みって何だ？」

「お前の所にある業務用、生ビールのサーバーを俺の家に置けないか？」

「業務用のサーバーって、あれは業務用だからなぁ――無理だな…。」

「無理なのは承知で頼んでるんだよ。俺にはアンバサダーの資格があるんだ。何とかお前の顔で、どうにかならないか？」

「業務用は個人には貸し出せないんだけど――お前どうして家に置こうって考えたんだ？わけがあるのなら聞かせろ俺も力になるから。」

私は彼に、彼女が缶ビールを飲んだ時の事を話した。

「そうか。お前は彼女に、旨い生ビールを飲ませて元気ずけようとしてたのか。分かった…。」

「直ぐ頼めるかい？」

「急ぐのか？」

夜には、旨い生ビールを飲ませて上げるからって約束をしてしまったから直ぐ欲しいんだが――どうだろう？」

「業務用だからなあ―――。」

「頼むよ…。」

私は顔の前で両手を合わせ頭を下げ頼んだ。

「分かったよ…。でも気持ちが滅入ってるお嫁さんに旨い生ビールをって、お前らしいな？」

「じゃあいいのか？」

「お前の頼みじゃ断れないだろう…。先に行っててくれ俺は車に積み込んでから行くから。」

「ありがとう！助かったよ…。」

私は彼に、そう言い店をでて家に向かった。