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第9章 有給休暇

噂が狭い、この町を駆け巡っている以上、彼女と仲良く出歩く事は極力避けるべきだろうとも考えてたし

一週間も有給休暇を取っていた事を私は彼女には、まだ話してなかった。

何時かは話さなきゃと思いつつも、言ったら事情を知らない彼女は、大丈夫だから仕事に行ってと言うだろう。

だが私は息子の事で、謹慎とも取れる有給休暇を取らされ職場には行けなかった。

「お父さん」

「どうした？トイレかい？」

「私――夢を見てたの…。」

「夢って、どんな？」

「私――とっても不思議な夢を見ていたの……。」

「麗奈が笑ってたから、きっと楽しい夢だったんだろうな？」

「私、笑ってたの？」

「ああ…。」

「そうだったの――。」

彼女が考えぶかそうな顔を私に向けた。

「楽しそうにニコニコ笑ってたよ。どんな夢を見てたんだい？」

「私――少し頭を整理しないとお義父さんには話せないの…。」

彼女は自分の頭を整理しないと話せといい見た夢の内容を私には教えてはくれなかった。

「そうか分かった。話せるようになったら私にも教えてくれよ…。」

「うん…。」

「そうだ！」

そう言った後、私は部屋を出て洗濯物の中から乾いたバスタオルを取り出し再び部屋に戻った。

コインランドリーで乾燥させ乾いた、バスタオルで枕を包み彼女を静かに寝かせた。