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第9章 有給休暇

「麗奈。洗濯物が溜まったからコインランドリーに行こうと思うんだが大丈夫かい？」

「どれくらい掛かるの？」

「一時間ちょっとかな…。おしっこは大丈夫？」

「大丈夫。」

彼女が云った。

「じゃあ行って来るから。」


彼女に、そう言った後、汚れた衣類をカゴに入れ、コインランドリーに急いだ。

カゴの中には私の、衣類と彼女の衣類が一緒に入ってた。

車で10分ほど走った所にコインランドリーはあった。

コインランドリーに着き建物の中に入り、洗濯乾燥機に持って来た衣服を入れ、百円玉を入れると動き出し終わりの時間が表示された。

私が入った時には誰も居なかったが少し時間が経つと数人の女性達が入って来た。

最初、テーブルのある椅子に腰掛けてたが私を当事者とも知らない彼女達が、大きな声で息子の噂話しを始めた。

「此処でもかい」

怒りにも似た感情から出た私の独り言だった。

此処に居る事が、いたたまれず私は、外に出て自分の車に乗ったが、この町では買い物に行きたくないと言った彼女の、気持ちが良くわかった。

きっと彼女も買い物に行った時、私と同じように誰かが言った事を聞いたのだろうと。

智輝の噂話しを偶然にも聞いてしまった時の彼女と同じ想いを私は、味わされ独りでベットに寝てた彼女のことが心配になった。