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息子の嫁
第8章 噂(うわさ)

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それから数日後の事だった。何時ものように仕事に行く私を彼女が、玄関まで見送ってくれ、出掛けのキスをし私は、職場に向かい何時ものように朝礼をし、それが終わると自分のデスクに戻った。
私が、息子の噂を知ったのは、まったくの偶然だった。
私が、トイレに入りドアを閉め用を足してたい時だった。
数人の部下達がトイレで立ち話を始めた。
「課長の、息子さんが飲み屋の年上の女とかけおちしたんだってよ皆、知ってたか?」
「俺も、まさかとは思ったが、どうやら本当のようだな?」
「気の毒に、奥さんも居るんだろう?辛いよなあ?」
「もう課長も知ってるかもな?課長の前では知らないふりをしてようぜ…。」
誰かが云った。
「そうだな課長も、出来の悪い息子を持って大変だな…。」
「そうだな…。そろそろ戻ろうぜ?」
「そうだな…。」
彼等がトイレから出て行った後、私も此処から出て自分の、デスクに戻ったが私の心が穏やかでいられる筈もなかった。
皆が知ってると言う事は食材を買いに、スーパーに行ってる彼女の耳にも既に届いているのかも?
そう思い仕事を終えた後、急いで家に帰り玄関の、インターホンを鳴らしたが返事がなかった。
何時もなら、明るい彼女の声がし玄関の、カギを開け私を迎え入れてくれてたが、今日はそれがなかった。
玄関の、カギを開け台所を覗いたが彼女は、そこには居なかった。
もしや、そう想い自分の部屋に行くと彼女が、ベットで寝てた。
「どうした大丈夫かい?」
「お父さん私、身体が動かないの……。」
あれ以来、彼女は二階にある自分達、夫婦の部屋に入る事を拒み私と一緒に、この部屋で寝てた。

