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哀色夜伽草紙
第10章 外へ出た籠の鳥

家に戻ると、省吾がソファーで座っていた。
「ただいま」
小さく呟いたのは省吾に申し訳ない気持ちでいっぱいだったからだ。
「おかえり、取り敢えず帰ってもらったけど、あれはまた来るかもね」
「そっか……ごめんね、有難う」
そう言うのに目を合わせてこない。いつもならそんなことないのに省吾の雰囲気がいつもと違って、恐る恐る近付いた。
「探しに行ったの?」
省吾がこちらを見ないで呟いた。
「う……ん、ごめん」
もう関係ないと思っていたのに、壱くんが居なくなったと聞いて身体が走り出していた。
なんて勝手なんだと居た堪れなくなって下を向く。
「ごめんなさい」
「何度も謝らなくていい。だけどいつまでもアイツに囚われたままじゃダメだよ琴莉」
とても冷たい目をして言われて胸が痛かった。
確かに、利用したとはいえ省吾の彼女になったくせに思う事は壱くんとの事ばかり。私は酷い女だ。
「ねぇもうアイツは貴女には関係ない。それにオレはアイツじゃない」
省吾は澄んだ目で私を見詰めてきた。確かに比べたら失礼だし、つい比べてしまう自分を責めた。
その瞳に縛られて頷くと
「良い子だ」
小さく呟きなら私の頬を撫でてきたその愛おしそうな仕草に胸がドキリと音を立てる
「忘れちまえよ、あんなやつ……」
強引に抱き寄せられてソファーに押し付けられながらキスをされると、息が止まりそうだった。
私の中から壱くんは居なくならない。
こんなにも省吾が私を愛してくれても、私は……
深い口づけのあと、唇が首筋を下りシャツの前を開けれ、指がスカートの裾から滑り込んでくる
「……んっ…やめ……」
このまま流されてはダメだと抵抗しても、その感触に、毎日の快感を覚えてしまっている身体は勝手に蜜を垂らす。
(ダメなのに……)
淫らな身体の自分を呪う。
理性を総動員して省吾から与えられる快楽から逃れようと手足を動かしても、突き動かされる欲望は増すばかりで……しかも男性の力には敵わず、衣服を剥ぎとられてしまう。
「ただいま」
小さく呟いたのは省吾に申し訳ない気持ちでいっぱいだったからだ。
「おかえり、取り敢えず帰ってもらったけど、あれはまた来るかもね」
「そっか……ごめんね、有難う」
そう言うのに目を合わせてこない。いつもならそんなことないのに省吾の雰囲気がいつもと違って、恐る恐る近付いた。
「探しに行ったの?」
省吾がこちらを見ないで呟いた。
「う……ん、ごめん」
もう関係ないと思っていたのに、壱くんが居なくなったと聞いて身体が走り出していた。
なんて勝手なんだと居た堪れなくなって下を向く。
「ごめんなさい」
「何度も謝らなくていい。だけどいつまでもアイツに囚われたままじゃダメだよ琴莉」
とても冷たい目をして言われて胸が痛かった。
確かに、利用したとはいえ省吾の彼女になったくせに思う事は壱くんとの事ばかり。私は酷い女だ。
「ねぇもうアイツは貴女には関係ない。それにオレはアイツじゃない」
省吾は澄んだ目で私を見詰めてきた。確かに比べたら失礼だし、つい比べてしまう自分を責めた。
その瞳に縛られて頷くと
「良い子だ」
小さく呟きなら私の頬を撫でてきたその愛おしそうな仕草に胸がドキリと音を立てる
「忘れちまえよ、あんなやつ……」
強引に抱き寄せられてソファーに押し付けられながらキスをされると、息が止まりそうだった。
私の中から壱くんは居なくならない。
こんなにも省吾が私を愛してくれても、私は……
深い口づけのあと、唇が首筋を下りシャツの前を開けれ、指がスカートの裾から滑り込んでくる
「……んっ…やめ……」
このまま流されてはダメだと抵抗しても、その感触に、毎日の快感を覚えてしまっている身体は勝手に蜜を垂らす。
(ダメなのに……)
淫らな身体の自分を呪う。
理性を総動員して省吾から与えられる快楽から逃れようと手足を動かしても、突き動かされる欲望は増すばかりで……しかも男性の力には敵わず、衣服を剥ぎとられてしまう。

