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哀色夜伽草紙
第10章 外へ出た籠の鳥
半狂乱の元山さんとは話にならなそうだったので、真っ青な顔をした伯母に話しかける。

「伯母さん、私は本当に知りません。仕事関係から聞いてみたらいかがですか?」

「そんなのとっくに聞いたわ……だけど居場所は知らないって」

やはり伯母の方が冷静なようだ。

「だとしたら、私は力にはなれません。何も知らないですから」

「あの子が戻るとしたら琴莉の所しかないと思ったけど……あの子が分からない……マユさん帰りましょう」

呆然として伯母さんが元山さんの肩に手を掛けると、元山さんが私の頬を突然に打ってきた。

「っ!」

火花が目の前に飛び出したような感じがして勢いで後ろに倒れると省吾が倒れた私を後ろに庇ってから元山さんを睨みつけた。

「何するんですか」

「この女のせいで壱さんは私を見ないのよ」

元山さんかブルブルと唇を震わせながら私を涙目で睨んで見下ろしていた。

「それは……」

「そんなの貴女の努力不足でしょう、琴莉のせいにするなよ、殴られる筋合いはない!警察呼びますよ」

「この女のせいだ」

やはりまともに話せる状態ではないと省吾も判断したようで、伯母さんと二人で元山さんを玄関の外に連れ出した。

去り際に伯母さんがごめんね琴莉と呟いたような気がした。

床にぺたりと座ったまま考える。

壱くんが行方不明?
心配になって、気がついたら壱くんのマンションまで駆け出していた。

部屋に着くと返しそびれた合鍵で開けると、部屋から荷物も運びだされてもぬけの殻になっていた。

(嘘…どうして?)

何故?壱くんが消えたの?

そのまま、壱くんが担当しているコラムの編集の金見に電話を掛けるが

「分からないのよ私も、仕事は全てメールでのやり取りでね?居場所は教えないって言われていて、分からないの。お役に立てなくてごめんなさい、琴莉さん。でもまさか貴女から長谷川さんが離れたなんて未だに信じられないわ」

金見さんにも聞いたが首を捻るばかりだった。

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