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哀色夜伽草紙
第8章 突然降りた幕
泣きながら、壱くんが私の手から鞄をもぎ取り床に投げた。

そして服を脱がせてベッドに投げ出された私が怯んだところで、うつ伏せにねじ伏せられ……前戯もなしに後ろから入ってきた。

「あぁっ」

いつものような優しい愛撫なんてなくて、ただ、ただ、私を穿つ。

それでも準備のできていた私の身体はその刺激に痺れながら淫らに声を上げてしまう。

「んぁっ……や……っ」

「嫌だ、嫌だ……琴莉、離れないで……琴莉」

腕を掴んで強引に腰を打ち付けるからその度に子宮口に当たって強い痛みと快楽に声が止まらなくなる。

「あっ……やだ……奥……」

「琴莉はオレのもの、オレだけのものだからっ」

激しいスライドのあとそのまま後ろから肩口を噛まれ、背中が痛みに仰け反る。

「あぁっ」

「ねぇ、縛れば何処にも行かない?それともここに閉じ込めればいい?」

今度は身体を回転させて前から抱きかかえ、座りながら私の手を後ろにして、タオルで縛られた。

身動きができずにいると、強く抱きしめられてキスをしてきた。

「ん……ふ……っ…ぁ…」

口の中を舌が這い回り、突き上げられる度に口からも接合部分からもぴちゃぴちゃと水音が響く。

抵抗できない、触れられない、それでも身体はとても近くにいて

二人の唾液なのか涙なのか分からない滴が胸を伝っていく

そのまま何度も高みに登らされては果てて、またすぐに弄られて

「やだ……もうやめて……イク、もうだめ、壱くんっ」

「何度でもイケよ、果ててこのまま何処にも行けなくなればいい……ぁ……このままここで……」

「あぁっ……い……く……んあぁっ」

獣のように叫んで跳ねる私と、それを蹂躙する壱くん。

それが何度も何度も繰り返された。


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