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哀色夜伽草紙
第8章 突然降りた幕

急に恐ろしくなる。まさか、私は本当に羽田くんと?

「井坂さんじゃないよな?だとしたらアイツか?羽田」

「ち、違うの壱くん私はっ!「何が違う」」

聞いたことがない低い声が響いて、一瞬耳を疑う。

「琴莉はオレから離れたいの?」

「そ、そんなことない!」

「じゃあ、何でだ!なんであいつに身体を許したんだよ!」

声を荒らげた壱くんに思考が停止した。

「オレはお前しかいない。一生、琴莉しか愛せないのになんでだ……」

壱くんはそんな風に言うけれど私たちは一緒になることは出来ないのだ。

それを分かっていながら貴方は私を縛るのか

「一生だなんて酷い、私が好きなのはあなただけなのに!壱くんは私を捨てていく日がくるのに!なぜ?なぜそんな残酷なことを言うの?」

涙が自然と落ちてきた。

(好きなのは壱くんだけ。だけどあなたは私の叔父だわ……)

それらが紺色のシーツに染みを作っていく。
黒く暗い闇のような染みが心にも広がっていく

「琴莉、まさか……だからなのか?」

壱くんは目を見開いた。

私がこの血を気に病んでいたなんて知らなかったのだろうか。
いや、知っていたでしょう?

それを誤魔化してきたのは貴方だ。

「いいえ、望んで抱かれたんじゃない。事故だけれど……それでもあなたは私の叔父だから!」

「それは事実だけど問題ない!だから離れる必要なんてっ「あるわ、おじいちゃんや伯母さんが許さない!いいえ、そもそも……」

常々思ってきたことだ
あなたに抱かれる度に気付いていたことだ

「神が許さない。これは違う種類の愛かもしれないと思ったことはない?壱くん」

確かに私は壱くんが好き。そして傍にいないと不安になる。
だけどこれは血が濃いからなの?と思ってもいた。

親への愛に似ていないか?いつもそう思っていた。

私一人が地獄を見るならいいけれど、その地獄へ壱くんを巻き込めない。

二人はやはり一緒にいるべきではないのだ。

「そんなこと一度も思ったことはない!琴莉はオレの宿命の女だから、一生のうちでお前以外は愛さないと確信してる」

服をノロノロと身につけ、私は鞄を掴んで外へ出ようとしたが玄関で阻まれた。

「帰んなよ……たとえアイツに抱かれた琴莉でも愛してるんだ」

それは愛なの?ねぇ、分からないよ。




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