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哀色夜伽草紙
第7章 幻と現実

部屋に入りお疲れ様ですと課長に声を掛けると、部屋の電気はついて明るいが中のテーブルなどにも乱れがない部屋に思わず足がすくむ。
まさか、誰もいない?
そう思った瞬間、バスルームからのシャワー音が耳に聞こえた。
(あ……シャワーに行ってるのか……)
「飲みましょう」
「うん」
テーブルに買ってきたオツマミとビールを出すと羽田くんがフフフと手を口の前に置いて笑った。
「な、なに?」
「3本も買ってたんですね。ソレ、一人で開ける気だったんですか?」
「うん……」
寂しいから飲んで酔いたくて沢山買ったとか、しかも既に1本飲んでるから4本だなんて、それは言わなかった。
上着を脱いで椅子の背に置くと羽田くんが棚からグラスを出してきてくれた。
「これどうぞ?」
「ありがとう、一緒にどうぞ」
グラスにビールを注いでいると、羽田くんがこちらをジッと見てきているのが視界の端でわかった。
気づかぬふりでグラスを手渡すと、羽田くんは小さくため息をついた。
「疲れた?」
「ええ、色々と」
それ以上あまり話さずに静かに飲んでいたので、何となく気まずくて私もビールを煽った。
仕事の事を二言三言交したけれど特に会話が続かないし、話す時には見つめられすぎて、居た堪れないから止めて欲しい。
それを二回繰り返し缶が1本空いた所で、ふと時計を見ると30分ほど経っていることに気が付いた。
シャワーにしては長過ぎないか?心配になってきた。
「ねぇ羽田くん、シャワー長くない?」
「……」
羽田くんが無言で立ち上がり、バスルームの方へ歩いていった。
キュッと音がしてシャワー音が止む。
(え……)
まさか、誰もいない?
そう思った瞬間、バスルームからのシャワー音が耳に聞こえた。
(あ……シャワーに行ってるのか……)
「飲みましょう」
「うん」
テーブルに買ってきたオツマミとビールを出すと羽田くんがフフフと手を口の前に置いて笑った。
「な、なに?」
「3本も買ってたんですね。ソレ、一人で開ける気だったんですか?」
「うん……」
寂しいから飲んで酔いたくて沢山買ったとか、しかも既に1本飲んでるから4本だなんて、それは言わなかった。
上着を脱いで椅子の背に置くと羽田くんが棚からグラスを出してきてくれた。
「これどうぞ?」
「ありがとう、一緒にどうぞ」
グラスにビールを注いでいると、羽田くんがこちらをジッと見てきているのが視界の端でわかった。
気づかぬふりでグラスを手渡すと、羽田くんは小さくため息をついた。
「疲れた?」
「ええ、色々と」
それ以上あまり話さずに静かに飲んでいたので、何となく気まずくて私もビールを煽った。
仕事の事を二言三言交したけれど特に会話が続かないし、話す時には見つめられすぎて、居た堪れないから止めて欲しい。
それを二回繰り返し缶が1本空いた所で、ふと時計を見ると30分ほど経っていることに気が付いた。
シャワーにしては長過ぎないか?心配になってきた。
「ねぇ羽田くん、シャワー長くない?」
「……」
羽田くんが無言で立ち上がり、バスルームの方へ歩いていった。
キュッと音がしてシャワー音が止む。
(え……)

