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哀色夜伽草紙
第7章 幻と現実

会議室を出てフロアの打ち合わせブースに行くと、お茶を出してくれたのが昨年札幌支社に異動した同期の守川さんで、彼女はお茶を出し終わると私をドアの外から手招きした
(ん?)
「ねー琴莉、どっちが彼氏?」
「は?どっちも違うよ?しかも井坂課長は既婚者だよ?」
「えー!井坂課長は前から琴莉に優しいし、別に不倫だってイイじゃない」
「馬鹿なこと言わないで」
真面目で旦那様一筋かと思いきやそんな事を言う守川さんにびっくりする。しかも、結構目をハートにしながら
「それに、あの子めっちゃタイプだわ」
なんて言いながら羽田くんを指さすものだから益々びっくりしてしまう。
「まぁ……確かに綺麗な子よね、まったく……湯木さんに言うわよ?」
「やめてよ、あの人嫉妬深いから結婚も早められたくらいなんだから。冗談よ」
上司と付き合い、それを隠して支社まで追いかけてきた彼女はホントに結婚まで漕ぎ着けてしまったツワモノ。
普通はあり得ないでしょうに……すごいなぁと思う。
「あの人が私には一番だけどね」
なんて、幸せそうに呟いた。
「それはご馳走さま」
その後は近況報告と、札幌のマーケティング調査に実際に出向いてみたり、歩き続けて一日仕事をした。
その間も何度も元山さんから睨まれているような気がした。
知らぬ間に恨みでも買ってしまったのだろうか?とても憂鬱だった。
クタクタになって井坂課長や羽田くんとの食事後に飲みに行った彼らより先にホテルへ帰り、何となくモヤモヤしながら部屋で1人ビールを飲んでいた。
幸せな守川さんの話を聞いたからじゃあないけれど、何かイライラさせられた。
(ん?)
「ねー琴莉、どっちが彼氏?」
「は?どっちも違うよ?しかも井坂課長は既婚者だよ?」
「えー!井坂課長は前から琴莉に優しいし、別に不倫だってイイじゃない」
「馬鹿なこと言わないで」
真面目で旦那様一筋かと思いきやそんな事を言う守川さんにびっくりする。しかも、結構目をハートにしながら
「それに、あの子めっちゃタイプだわ」
なんて言いながら羽田くんを指さすものだから益々びっくりしてしまう。
「まぁ……確かに綺麗な子よね、まったく……湯木さんに言うわよ?」
「やめてよ、あの人嫉妬深いから結婚も早められたくらいなんだから。冗談よ」
上司と付き合い、それを隠して支社まで追いかけてきた彼女はホントに結婚まで漕ぎ着けてしまったツワモノ。
普通はあり得ないでしょうに……すごいなぁと思う。
「あの人が私には一番だけどね」
なんて、幸せそうに呟いた。
「それはご馳走さま」
その後は近況報告と、札幌のマーケティング調査に実際に出向いてみたり、歩き続けて一日仕事をした。
その間も何度も元山さんから睨まれているような気がした。
知らぬ間に恨みでも買ってしまったのだろうか?とても憂鬱だった。
クタクタになって井坂課長や羽田くんとの食事後に飲みに行った彼らより先にホテルへ帰り、何となくモヤモヤしながら部屋で1人ビールを飲んでいた。
幸せな守川さんの話を聞いたからじゃあないけれど、何かイライラさせられた。

