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哀色夜伽草紙
第1章 初めてのヒト
「この小悪魔っ!」

「…や…んん……」

あっという間に形勢逆転され、壱くんをイカせる前に、細くて骨張った器用な指が私の中を開いていった。

「や……」

刺激に思わず声が出ると、その声を飲み込むように口付けられる。

「いやなの?やめるの?」

その口づけのあと、身体をずらした壱くんが普段より低めの声で私の蜜壺を指で突きながらソコで囁けば、その指の擦る部分が的確すぎて気持ちよすぎて身体がもっとと求めて、腰が勝手に動いてしまう。

「やめないで……もっと……」

だから私は素直に欲しがるのだ。

シーツを蹴って刺激を求めて、壱くんの首を引き寄せて抱きつく

「壱くん、もっと……」

「ったく、お前は……」

「いや?」

少し呆れた声に不安になって尋ねると頭を撫でられた。
優しい触れ方だけれど、いつでもそう、私ばかりが翻弄されていて、壱くんは冷静に見えるからその反応が心配だ。

「サイコーだよ、サイコーに可愛いよ、琴莉」

「んっやぁぁ」

そのまま指を激しく動かされて翻弄されれば、身体はいとも簡単にイカされる。

あとは待ち焦がれた慣れ親しんだ壱くんの身体が後ろから私を貫くのだ。

「…ぁ……ん……っん…」

軽く達したばかりの身体は穿かれる度に蜜を溢れさせ、その刺激と快感に声が止まらなくなる。

「琴莉…オレの、琴莉……」

壱くんが私の背中に口づけながら掠れた甘い声で切なげに私を呼ぶから、心の奥がぎゅっと掴まれて翻弄されてしまう?

そのまま何も考えられなくなり、壱くんの与える快楽に身を沈めていけば、やがて二人で白い果てまで到達する。

愛されているのだと思えるこの瞬間が好きだ。
この時だけは壱くんを私だけのモノに出来るから。

子どもの頃から自然に傍に居た二人は、今は身体を貪り合う関係になっていた。



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