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哀色夜伽草紙
第1章 初めてのヒト
それはそれはごく自然に、貴方は私の傍に居た。

「琴莉」

貴方が私をそう呼ぶ声が大好きで、貴方が私に微笑みかける度に胸が苦しくなっていた。

抜けるように白い肌、日本人には珍しいブルーグレーの色の瞳をしたその人は、美しいラインの鼻筋で形の良い少しふっくらした唇で可愛らしい笑顔を作る、男性にしてはだいぶ美しすぎる人だった。

「壱くん…」

「琴莉」

幼い頃からそう呼び合いながら傍に居た二人は、小さな手を握り合って成長して、今はもう大人。
ぎこちなく繋いでいた手と手は……今は繋ぐ時には絡められた指で会話出来るのでないかと思うほど繋ぎ合うのが普通になった。


薄暗いそこは、二人の吐息がまるで煙のように漂う彼の部屋だ。時折壱くんが私のソコに触れて立てる音が響く

「んぁ……」

「なに?そんなに触られて嬉しい?欲しいの?」

先程からかなり焦らされて限界に達していた私は、体勢を替えて壱くんを見下ろすとジッパーに手をかけた。

「なんでちゃんとシテくれないの?」

下ろして前を寛げれば、彼の直下立つ部分が触れてと主張したので、それを手にして口に入れる。

「ん……ぁ、琴莉やらしいな……もう咥えるの?」

「うるはい…壱くんは黙ってて……ん」

私が動かせば壱くんの白い身体が濃紺のシーツの上で仰け反る。
その妖しく光る喉元に噛みつきたくなる思いで身体をゆっくりと目で味わいながら、彼のソレを愛していく

「んぁ、琴莉……キモチ……い」

彼身体の白とシーツの濃紺のコントラストが艶かしい。
汚れるからとあれほど言っているのに

「いいんだよ、ここに琴莉の跡が付くだろ?それがいーの。フフフ」

だなんて怪しいことを言って、ぺろりと紅い舌を出してふっくらした唇を舐める彼は、やはり男性にしては美し過ぎる。

「ばか!すぐ洗うものっ!」

「ええ、そのままそこのニオイを嗅ぎたいのに……」

「へ、変態!」

壱くんは私が来る日にこの濃紺のシーツを敷くのだ。跡が残るのがイイと彼は言うけれど、恥ずかしくて私が洗って帰る。


吸い上げていると吐精感が強まったのか、壱くんの身体が細かく震え始めた。

(そろそろかな)

だから耳許でわざとらしく吐息で囁いてあげる

「イケば?……フフ」

すると壱くんは真っ赤になった顔で耳を手で塞ぐと叫びながら私をシーツに俯せに沈めた。

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