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哀色夜伽草紙
第2章 大事なヒト

「そんなに顰めっ面で仕事してたら、睨まれたパソコンもカワイソーじゃねぇの?」

資料をグラフ化していたのだが、中々レイアウトが上手く合わなくて苦労していると、上司の井坂課長が呑気な声を掛けてきた。

「機械に感情はありませんよ、たぶん」

少しその呑気さに腹をたてながら言い返す。

「まーそうだけれども、それから……お前さんの眉間にはシワ出来るよ?いいのそれでも?」

「自分の容姿になんて興味はありません」

あれだけ自然で綺麗な壱くんと一緒にいると、平凡な顔立ちの私が綺麗になる努力をしても無駄な気がしてしまうのだ。


井坂課長だって、目尻が上がった大きな二重の目に高い鼻、笑うと爽やかな歯が覗く大きくて形の良い唇が特徴の井坂課長は社内でも女性から人気の高い人だ。

まるでテレビに出ている人気のイケメン俳優のようだから、こんな人に容姿が……と言われても何もしないで綺麗な人に言われたくないなんて、卑屈になったりしてしまう。



壱くんが女性的な綺麗な顔なら井坂課長は男性的な美しさだろう。


「ふうん。そんなもんなのか?とりあえず根詰めすぎずに頑張れ」

それでも冗談ばかりのようだけれど、実はよく人を見ていて、たぶん今も私の進捗状況の確認と励ましをしてくれたみたいだ。


息を抜くのが苦手な私に度々ああして声をかけていくことに最近気づいた。最後に私の肩をぽんっと叩くと


「今日は締切明けで壱が待ってんだろ?可愛がってもらえ」


彼は壱くんの高校時代の先輩で、昔から私を知っていて今も妹のように可愛がってくれているし、どうやら壱くんが逐一報告をしていていつも井坂課長にスケジュールが把握されている。


「はい、そうします」


だから隠しても仕方ないのでそう答えると満足そうに笑った。



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