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愛おしいキミに極甘な林檎を
第66章 番外編:愛の行方

「僕は遠慮しておきます。
仕事が忙しくなりますし、那砂に構っている暇はありません」

「あたしたち、長い付き合いじゃない。
友達は大切にしないといけないって親から教えてもらわなかったの?」

「親の話はどうでもいいでしょう!」

理人さんはきつめの口調で那砂さんに言い返す。

なぜなら、理人さんにとって親のことはデリケートな話だ。

理人さんの両親は、もうこの世にいない。

このことは、那砂さんも知っているはずなのに……。

売り言葉に買い言葉といったところだろうか。


それにしても、今日の理人さんは那砂さんに対して明らかに態度が冷たい。

これ以上、話すと喧嘩してしまいそうだ。


「あー!早く食べないとお寿司の中トロといくらがなくなっちゃいますよー?
私が全部いただこうかなー」

強引に話題を変えてみる。すると、ソラ先輩がテーブルの上に日本酒をそっと置く。

「ここに来る前に日本酒を買ってきたんですよ。
今、流行ってるって風子が言っていて。
ふたりで選びました」

ソラ先輩はお酒の力に頼ろうとしているみたいだ。


「そのお酒は、噂の空風水酒じゃないですか!?
あまり辛くなくて、飲みやすいと噂ですよね。
僕も飲んでみたかったのですが、いつも売り切れていて買えないんですよ。だから、嬉しいです。
今、お猪口を持ってきますね」

理人さんの表情が明るくなった。そして、立ち上がってから台所へ向かう。

なんとか喧嘩を回避できてホッとする。


「日本酒はアルコール度数が強いから、風子は飲みすぎないようにするんだよ」

「気をつけます……」

「ふたりとも気が利くじゃない。
あたし、日本酒が好きなのよね。
それに、理人くんとお酒を飲めるなんてラッキー」

「あの……、那砂さん。
今日はどうしたんですか?
私が見た感じですけど、いつもより理人さんと仲良くない気がします」


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