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熱・愛・契約~熱・愛・事変
第4章 混・乱・事変②
「パジャマのお色直しとか……何をしてるのかな私も」
しのはシャワーを浴びて、何着かあるパジャマの中から一番可愛い物を選んでいた。
彼に「かわいく」見られたいという気持ちが働いたのだろうか?
「……ないない……そんなの無いし」
しのは呟き、取り寄せてあった静岡の黒はんぺんを鍋の中へと放り込む。
昨夜から仕込んでいたおでんの具材は良い色になり、濃いだしの薫りが食欲をそそり、しのの頬も緩んでいく。
今夜は母と一緒に食べようと約束していたが、母はそんな事は忘れてしまっているのだろう。
大体が、堺とアポイントを取っておいたらしいのに彼に会わずに出掛けてしまう位なのだから、娘の言うことなどは更にどうでも良いことなのかも知れない。
ツキン、と胸の奥が痛み目の奥がジワリと熱くなるが、リビングからすっとんきょうな叫びが聞こえ、火を止めて堺の側へ行くと彼は一転幸せな笑顔を浮かべている。
しのは思わずつられて笑ってしまう。

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