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熱・愛・契約~熱・愛・事変
第6章 身体が先か、恋が先か――
しのは、大声で怒鳴りたくなるのを精一杯こらえて、今自分が出来る一番の魅力的な笑顔を向けた。ステージでファンに向ける輝いた瞳と鈴を転がすような声。今の彼女は完璧なアイドルの表情と佇まいだった。しのは必死に演じていた。本心は、彼にすがって泣きたいのに。痛くて不安だった――だけど、貴方が優しく抱き締めてくれたら、そんなの全然平気なの――と、甘えたい。
だが、彼はまた自分の世界に入ってしまって奇妙きてれつな叫びを上げて転がって遊んでいる。優しい彼なら、初めて身体を開いた女の子をふんわりとした笑顔と言葉で癒してくれるものだと思っていたのに。泣きたくなる程の疼痛を隠し、しのは真っ直ぐ立って気丈に振る舞ってしまう。
(そうよ……私は人前で泣いたりしない、オリオンのリーダーの美佳原しの……初めてのセックスで……相手の男の態度が酷いからって、ジメジメ泣いたりしないのよ……!)

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