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いつ見きとてか 恋しかるらむ
第1章  『 フォンダン ショコラ 』 


夫は、首までしっかりと湯船に浸かっていた。


わたしは、湯椅子に座りシャワーに手を伸ばす。


蛇口をひねろうとした時、夫が腕を引き寄せた。


わたしは、バランスを崩したけれど、
夫が支えた。


「大丈夫?」


「だって、急にひっぱるから。」


「抱きしめたいと思ったから。」


夫は、立ち上がりながら、
わたしの手を引き上げた。


夫は、わたしを抱きしめる。


湯船から上がったばかりの夫の体は
温かでほっこりした気持ちになった。


夫は、唇を重ねた。


重ねてすぐに、夫の舌が
唇を割って入ってきた。


「んっん~~。」


わたしは、くぐもった声をもらした。


夫の舌は、乱暴に私の口の中を撫で回した。


夫の右手が、わたしの左の乳房に触れる。


夫の掌は、わたしの乳房を包み込み、
それから、ぎゅっと掴んだ


そのまま、乳頭を強くつまんで……。


心の中で、わたしがつぶやいた。


でも、夫は、
強く、弱く……そして強く、
繰り返し、私の乳房を掴んでいた。


「あっ……ん。」


演技ではなく、
声が漏れる。


でも、


もっと……もっと……!


と、望むわたしがいる。


唇を離し


「体、洗ってあげようか?」


夫が耳元で囁いた。


私は、首を左右に振って


「いいよ……。自分で洗うから。」


はにかみながら、夫に言った。


「先に上がるよ。」


夫は、あっさりと浴室を出て行った。


バタン。


浴室のドアが閉まって、
小さなため息をついた。


「ダメ。
俺が洗うから。」


そう言って、いやらしく体を洗ってほしいのに。


そんなこと、言えない……。


わたしの妄想の中でだけ、繰り広げられる痴態。


夫がもう少し…強引なら。


少しは、満たされるのかな……。



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