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いつ見きとてか 恋しかるらむ
第3章 『 抹茶 水ようかん 』

「えっ!」
部屋に声が響いてしまった。
こ、こんなに簡単に……終わってしまうものなのかと驚いてしまった。
Sachiさんとご主人様の出会い、調教の内容、Sachiさんのご主人様への想い……。
ブログでしか知らないとはいえ、私はドラマや映画を観るようにずっとSachiさんの世界の傍観者であったから。
こんなにいとも簡単に……終ってしまうだなんて。
なぜだろう、悲しくて仕方がない。
わたしは、ウェルカム欄を開けた。
こんなに簡単に終わるなんて。
もっと話し合うことはできなかったのですか?
やり直すことは無理なんですか?
そんな言葉が次々と浮かんできた。
でも、冷静に考えてみれば、このブログの内容は以前のものだ……。
ご主人様と話し合うことができて、また元の関係に戻っているかもしれない。
離れてしまったけれど、また新たな出会いがあったかもしれない。
先を読んでみないと……わからない、そう思った。
Sachiさんのその後を知りたいという衝動で、わたしは気持ちが急いていた。
知りたいという衝動は、Sachiさんにとっていい結果であったら……という気持ちが強かった。
でも。
ほんの少しだけ、ドラマチックなできごとを期待してもいた。

