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いつ見きとてか 恋しかるらむ
第1章  『 フォンダン ショコラ 』 


フォンダンショコラを存分に味わった後、
わたしは、食後の運動を兼ねて、
街を歩いた。


特に、欲しいと思うようなものはなく、
帰宅ラッシュと重ならないように
帰ることにした。


電車の中は、立つ人はほとんどおらず、
座席がほぼ埋まっているような状態だった。


わたしは、運よく席に座ることができた。


わたしの向かいに座るサラリーマンは、
コクリコクリと首を動かして眠っていた。


その横に座る、
見るからに今からご出勤とわかる女性は、
サラリーマンを睨みつけていた。


女子高生の3人組が楽しそうに話しているかと思えば、
一生懸命、英語のテキストと格闘している女子高生もいた。


電車の中を観察するのは楽しい。


一人が多いわたしにとって、
見ず知らずの他人の様子は、
ドラマを観ているようだった。


ふーーっと息を吐いた。


無音の家。


わたしが明かりを点けなければ、
まっくらやみの家。


夫は、わからないだろう……。


だって、音のある家に帰ってくるのだから。


明かりの灯った家に帰ってくるのだから。


車窓からあふれ出す夕日が
わたしに降り注ぐ。


わたしは、このままでいいのかな……。


このまま、ゆるゆると流れる日々に
漂っていいのだろうか。


でも、なにをすればよいのだろう。


どうしたらよいのだろう……。


電車の進む方向で、
夕日がわたしから遠ざかっていった。


わたしの気持ちも夕日と一緒に
遠ざかっていった。



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