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いつ見きとてか 恋しかるらむ
第1章  『 フォンダン ショコラ 』 


わたしが、そんなことを考えていると、
ふと、気配を感じた。


「お待たせいたしました。」


ウェイターの声が声をかけ、


「フォンダンショコラとダージリンティーで
ございます。」


彼のほうから、ふんわりと甘いチョコの香りが漂ってきた。
その香りが、鼻孔をくすぐる。


ウェイターの指先は、細く、長く、
フォンダンショコラを乗せている
真っ白な皿に映えた。


フォンダンショコラの皿は、わたしの真正面に置かれた。


皿の横に、店の名前とロゴが書かれてあるペーパーを置き、ナイフとフォークをそっと置く。


わたしは、ウェイターの手を見ないふりをしながら少し盗み見ていた。


皿の右斜め横に空のティーカップを置いた。


皿とお揃いの真っ白なものだ。


そして、最後にこれも揃いのティーポットを
皿の左斜め横に置いた。


「ご注文はお揃いでしょうか。」


「はい。」


ウェイターが立ち去ったのを、
チラリと見やってから、
わたしは、少し深呼吸をした。


ファンダンショコラから立ち上る甘い香りは、
幸せな気持ちをもたらしてくれた。


わたしは、ナイフとフォークを手に取り、
そっと、フォンダンショコラにナイフを入れた。


とろり……。


生地よりも濃い黒茶色の液体が流れ出す。


わたしは、スポンジを一口大に切り、
その液体を拭うように付けた。


そして、口に運ぶ。


ショコラにラズベリーの香りと酸味を感じた。


ああ……おいしい…。


私は、ごくりと飲み込むのが惜しいと思った。


なんて……奥深いのだろう。


食べに来てよかった……。


満たされないわたしの心が
たった一口のフォンダンショコラで
こんなにも豊かな気持ちになれるなんて…。


Sweetsは、
幸せをもたらしてくれる……。



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