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いつ見きとてか 恋しかるらむ
第3章 『 抹茶 水ようかん 』

Sachiさんのブログの内容は、より深いものになっていた。
アヌスへの調教も本格的になり、アナルプラグを差し込まれるようになっていた。
小さなものから、少しずつ大きなものに……。
全てをさらけ出した写真は、さすがにいけないからだろう。
見えてはいけない部分には、形ばかりのぼかしがはいっていた。
しなかやかで美しい指先は、銀色に光るアナルプラグを持っている。
次の写真では、それが女性の……Sachiさんの肛門に押し当てられていた。
Sachiさんのブログは、写真に目を奪われやすいけれど、わたしはSachiが綴る言葉にも惹かれていた。
ブログが進んでいくと、Yさんからご主人様という呼び名に変わっていき、Sachiさんは、ご主人様から「さち」という名前をつけてもらっていた。
「ご主人様が、名前をくださった。
『お前の名前はさちだ。
調教の時、愛奴として役目を果たすときの名前だ』
ご主人様は、そんなふうにおっしゃった。
ご主人様の好きなように扱われる時、私はさちにな
る。」
そんなふうに書かれていた。
別の名前。
それは、もう一人の自分なのだろうか。
Sachiさんには、ちゃんと名前があり、日常があるはずだ。
でも、本当の……名前ではないご主人様からいただいた名前で呼ばれることで、Mとしての自分になれるのだろうか……。
Sachiさんのちょっとした書き込みに、わたしの想像力は膨らんでいくばかりだった。

