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いつ見きとてか 恋しかるらむ
第3章 『 抹茶 水ようかん 』

Sachiさんのブログは、甘い言葉で飾られることはほとんどなかった。
客観的に、Sachiさんとご主人様との関係が書かれていた。
淡々と書かれている中にも、ご主人様への愛情、心がとろけそうな艶っぽい表現があって、胸の鼓動が少し早まる時がある。
ブログを読み進めていくことで、わたしはずいぶんとSachiさんのことを知ることができた。
ご主人様と知り合って1年以上経っていること。
ご主人様は、既婚者であること。
Sachiさんは、既婚かどうかは書いていなかったけれど、なんとなく……既婚者ではないかと思っている。
限定記事以外の……誰でも見ることのできるブログでは、オシャレで素敵な食卓が写されているから。
わたしの勝手な想像だが、独り暮らしであんなにマメに作るとは……思えないのだ。
だれか……、おいしいと言ってくれる人のために作っているならわかるのだけど…。
Sachiさんは、今は仕事をしていないように感じられた。
ブログには、仕事のしんどさや愚痴といったものは見受けられない。
Sachiさんのご主人様は、会社の上司だったはず……。
なにかあったのだろうか……。
少し気になったが、ブログを読み進めているうちにその答えが見つかった……。

